もしかしたら、私はがん? -「浮気」ではなく紹介を受けよう

人間ドックで「がんの疑いあり、精密検査を受けて下さい」と言われたらどうしますか?「私はがんなのだろうか」と不安になりますね。精密検査の結果が思わしくなかったら深刻です。多くの方々がより良き治療法は無いかと幾つもの病院に行き、いろいろな情報を集めようとします。気持ちは分かります。当然のことでしょう。

GUM11_CL06008s がんに限りませんが、重い病気になった時、人々は「この医者の言うことに従って良いのだろうか」と思い、他の病院に「浮気」します。名医を求めて、評判に頼ってさまよう方もいます。ここで少し考えたいのです。

治療法は手術による外科的治療、化学療法での内科的治療、放射線治療などがあり、どういう治療法、あるいはその組合せが良いのか、患者には分かりにくいものです。ちゃんと情報を集め、適切な治療を受けるには、「浮気」より、専門のセカンドオピニオン外来に行くのが適切でしょう。最初の病院から検査データ、治療方針意見をもらって、がん治療に長けた拠点病院(がん拠点病院など)を紹介してもらって行くのです。

大学病院だから治療水準が自動的に高いとは限りません。一般的には高い水準にありますが、細かく見れば、得意分野を持つ専門病院の方が良い場合もあります。私の知人も大学病院からの紹介で、そういった専門病院に転院、満足のいく治療を受けて元気に在宅復帰を果たしています。

ネット時代で治療に関する情報はかなり集められるようになりました。大いに参考としたいものです。ただ最初にかかった先生に悪いから、とネット情報だけを手掛かりに他の病院を当ってみるのはいかがかと思います。医師の意見を聴いた上で、然るべき専門病院を紹介してもらうべきかと思います。自分の体のこと、遠慮は要りません。

2013年12月22日

専門医って?知っておきたい医師の専門分野

新しいクリニックが開業しました。看板には「内科」とあります。胃腸が悪い貴方は、この近所に開業したクリニックの先生を「かかりつけ」の先生にしますか?

GUM13_CL09003医師免許は一本です。麻酔科は別として医師は看板を自由に掲げることができます。優秀な先生方のこと、それでも良いのですが、やはり「この先生の専門は何だろう」と気になります。皮膚科の先生に眼を診てもらうのは、やはり抵抗があります。何を勉強して診療されてきたかは、気になって当たり前。情報は集めておくべきでしょう。

内科クリニックと看板にあっても、院長先生にはそれまで歩んできたキャリアというものがあります。そして多くの医師は専門の学会に所属し、それぞれの学会で定められた選考過程を通って認定医や専門医の資格を取っています。専門医資格については、学会によって難度に差があって見直しが国によって進められていますが、医師の専門に関する一応の目安になっていることは間違いありません。

院長先生が何に得意かを知る手掛かりになることは間違いないでしょう。

内科クリニックは数多くあります。他の診療科と違って、外科出身の内科クリニック院長先生もごく普通の存在です。HPなどで簡単に確認できる場合も多いかと思いますが、出身の大学医局や勤務していた病院の診療科などと併せて認定医、専門医資格などを知ることは可能です。胃腸の専門家だった先生に心臓の弱い方が「かかりつけ医になって下さい」とお願いして、戸惑う院長先生もあるかもしれません。頭を下げられれば断りにくくなることも。患者の側で情報収集をしておくべきかとも思います。

自分の身体状況に合ったお医者さんをかかりつけ医に選びたいものです。その他にも手掛かりはありますが、認定医や専門医の資格は一つの判別基準になることでしょう。

2013年6月22日

病院を退院したら

手術が終わって体の状態が落ち着いてきたら退院ということになります。病気前より体力が落ちて生活していけるだろうかと不安になります。そんな時には誰に相談して、お世話になることを考えるべきでしょうか。

GUM11_CL05040 病院にはMSW(メディカルソーシャルワーカー)という相談員が居ます。退院調整看護師という存在もあります。生活のことはMSWに、退院後の医療のことは担当看護師に相談するのが良いでしょう。かかりつけの開業医を居られる場合は、その先生にご相談されるのが良いかもしれません。かかりつけ医は自分の体のこと、生活のことをよくご存知の場合も多いからです。

介護が必要となる場合など、ケアマネージャーがケアプランを立ててくれます。MSWらが紹介してくれるでしょう。地域包括支援センターという存在があります。地域でのセンター所在地を調べて相談に行ってみてはいかがでしょうか。

役所や地域の民生委員がいろいろな相談事に乗ってくれる地域もあります。役所というと役所仕事などと敬遠されるかもしれませんが、福祉担当の方は熱心な場合が結構あります。民生委員も人によりますが、頼りのなる存在であると聞きます。

もちろん、今の時代ですから、ネットで調べる手もあります。退院後の診療を受ける病医院についてネットでいろいろと検索してみると自分に合ったところが見つかるかもしれません。あるいは口コミの評判を確認できたりします。

家に帰ったら、場合によっては施設に入るかもしれませんが、「自分らしく」生きていくために何があるのか、をキチンと知っておきたいと思います。遠慮は要りません。患者さんとご家族にとって、これからも自分たちの生活が続きます。いわゆるQOL(生活の質)は大切にしたいものです。そのために自分たちだけで悩む必要はありません。

2012年12月22日

診療科を正しく理解してますか?

病院に行けば様々な診療科の名前が掲げられています。内科と外科の違いくらいは分かると思いますが、内科だけでも消化器内科、呼吸器内科、循環器内科から内分泌内科、血液内科などに至るまで多種多様です。どの診療科にかかるべきなのか分からなくなります。

GUM13_CL09004_s そもそも、例えば整形外科と形成外科の違いを理解している人がどれだけ居るでしょうか。因みに整形外科は骨など身体内部からの痛みを扱い、形成外科は体表、つまり皮膚科の外科版と思って良いでしょう。心療内科は心の病気を扱い、神経内科は脳神経外科の内科版で神経の病気を扱います。

昔は大雑把に言えば、内科と外科でした。大体の病気は開業医の先生のところで診てもらえば良かったのですが、今の時代はどうすれば良いのでしょうか。一つはHPなどで先生の経歴をチェックすることです。専門医資格も判断材料の一つになり得るでしょう。

大きな病院は専門分化がかなり進んでいます。かかりつけの開業医の先生に相談することで適切な診療科にたどり着くこともあります。総合診療科という診療科にかかることもお薦めです。

総合診療科では日常的な病気の診療の他に、原因がはっきりしない病気、複数の原因が絡んだ病気などを扱います。的外れな素人判断ではなく、医学的根拠に基づいてどの診療科で診療を受けるべきか、を決めてくれます。

ネットなどでの情報収集も良いでしょう。ただしネット情報は玉石混交と思って下さい。正しい理解を助けるための道具くらいに思って活用することが大切です。

お年寄りにはいつも通院している整形外科で何でも診てもらうという方も多く居ます。それが良い悪いではなく、日頃からかかりつけの先生を作っておいて相談できる関係を持つのは必要です。専門分化が進む医学。貴方のことをよく知るガイドが必要です。

2012年9月22日

身近な健康相談相手になるかも

昔は保健所が身近な存在でした。いつの間にか保健所も遠い存在になったように思います。そして保健師の存在も縁が無くなったと感じます。そもそも保健師というのは、どんな仕事なのでしょうか。

GUM11_CL06028 保健所に所属して地域の保健衛生の向上に努めてきたのが行政の保健師です。衛生状態は格段に良くなりました。そのせいか保健師の活躍の場が狭くなったのでしょうか。介護保険が始まってケアマネージャーなどの各種専門家が活躍するようになりました。保健師の仕事とは違うのですが、身近な相談相手としての存在は保健師から他に移ったように感じます。

それでも保健師の仕事は重要です。企業で働く人々にとって、ストレスの多い仕事、職場が増えています。きつい仕事で体調を崩す人も多くなっているようです。従業員の健康維持は企業にとって大きな課題となっています。産業医の先生は数少なく相談相手には敷居が高い存在です。そういう時の相談相手として保健師がいるのです。

医師がやや理屈っぽく説明するのに対して保健師は分かりやすく話してくれます。例えば食事については「栄養バランスに神経質になり過ぎるより独りで食べないこと。誰かと一緒に食べれば、それだけでゆっくり食べるようになるし体には良いですよ」と言われると納得して実行しやすくなります。

一般の方にとっては保健師と看護師は別の存在です。保健師が看護師として働けることなど知らない人の方が多いのではないでしょうか。生活指導、地域や企業の保険衛生のプロフェッショナルとしての保健師をもっと活用したいと思います。例えば企業においてです。企業で働く皆さんに、企業経営者の方々に、保健師の存在意味を理解してもらい、活用して頂くのが早いと思います。地域の保健師にも頑張って欲しいと思っています。

2012年5月22日

人は様々、病気も百人百様と知るべし

一人として同じ人は居ないと言われます。名前も違えば外見も違うし、考え方も趣味も人それぞれです。いろいろな人が居るから世の中に文化が生まれ、科学が発達し技術が花開きます。ダイバーシティという言葉がよく使われるようになりました。多様性という意味です。同じ色ばかりでは街も企業も学校も、病院でもより良いものになりません。

120402 イレッサという肺がんの薬があります。副作用で亡くなる方が出て問題となりました。特効薬として劇的に効き闘病生活から復活された方も居ます。要するにイレッサには治療効果の高かった方と却って亡くなるに至った方の双方のケースがあったというわけです。

このことは同じ病気であっても患者さんによって治療法が違うということを意味します。「これでがんが消えました」といっても、それが真実であっても、他の患者さんのがんも消えるとは限らないのです。病気も百人百様と知りたいものです。

お医者さんが検査データを見て首を傾げて「どこにも異常がありません」と言われることはよくあります。精神的なものから来ている体の不調は原因がよく分からないケースもあります。西洋医学は症状には原因があるとして治療法を考えます。漢方はこの痛みにはこの薬が効くというように、症状に対応して治療がなされます。医学も様々です。

このように病気とその治療は私たちが思うほどシンプルな関係にはありません。病気も様々なのですから。では、私たちはどうすれば良いのでしょうか。一つはかかりつけのお医者さんを持つということでしょうか。健康履歴から家族のことまで知ってもらっておく。自身でマイカルテ、健康手帳を作っておくのも一つの手です。

知人はイレッサが効きました。喫煙歴が無くホルモンバランスが良かったとか。背景が分かれば治療法もより的確なものとなります。

2012年4月22日

予防接種について知っておきたい

日本は諸外国に比べて予防接種については遅れた国と言われてきました。副作用による問題など、行政も及び腰であった時代があったためですが、そのために予防接種を受けるのは良くないことだと誤解する人も多かったのではないでしょうか。

GUM06_CL07019 もちろん100%安全というわけではありません。特に子供の場合は心配も残るでしょう。しかし感染症の怖さも同じようにあります。予防接種で重い病気になることから身を守ることの意義を考えたいものです。

近年は、Hibワクチン、小児向け肺炎球菌ワクチン、子宮頚がんワクチンなど、新しいワクチンが登場し注目されています。何れも世間の親御さんの関心が高いものとなっています。公費助成を行なう自治体も拡がってきました。子宮頚がんワクチンなどは中高生が接種適齢期とされています。20歳代でも効果はあるとの研究もあるようですが、タイミングを逃さない方が効果も高いようです。

ポリオの不活ワクチン(生ワクチンより安全性が高いと言われてます)接種も近いようです。予防接種というとインフルエンザを思い出しますが、それだけではなく様々な種類があります。もちろん大人向けもあります。

感染症の怖さは昔と変わらないのではないでしょうか。衛生状態は良くなっており、感染症は大部分、過去のものとなりました。逆に本当の怖さを、現代人は知らないとも言えるわけです。どんな病気も予防が大切なことに変わりありません。

感染症のこと、ワクチンのこと、その効果と安全性のこと、いろいろと知っておきたいことがあります。一部の偏った情報に左右されず客観的な情報を収集して、予防接種に対して前向きに考えたいと思います。

もちろん受ける側の体の状態も十分に把握した上で受けるべきです。何事も十分な知識に基づいて行動すべきなのです。

2011年10月22日

「かかりつけ医を持ってますか」―大病院へ行く前に―

「かかりつけ医」のことについて改めて書きたいと思います。かかりつけ医を持つということはなぜ大切なのでしょうか。多くの患者さんは医師に高い専門性を求めます。だから大学病院などの大病院指向が強くなります。

GUM13_CL09029 この場合、専門性とは特定の病気、特定の臓器に関する専門性を意味しています。心臓の専門医といったものです。ここで考えて頂きたいことがあります。人間の身体は複雑なものです。厄介なことに心の問題も絡みます。腰痛の悩みを頭の専門医に診てもらうのは、間違いではないかもしれませんが適切ではないでしょう。

かかりつけ医とは、特定の病気や臓器ではなく「あなたの専門医」を意味します。日常からかかりつけ医として、健康の相談に乗ってもらう先生を決めておきたいと思います。

病気など健康を損ねる背景には、日常生活のことがあります。家庭のこと、仕事のこと、バリアフリーでないなど家の構造など、いろいろな問題が絡んでいます。身体の痛みが、実は心の問題から来ていることもあります。内科の患者さんの多くが心の病にかかっているということです。日頃の健康状態や生活背景も知ってもらっていて、初めて正しい診療を受けることができるというものです。かかりつけの先生を持ちたいというわけです。

風邪で大病院にかかるという方もいます。病院の先生方は入院患者さんや病状の重い外来患者さんの診療で手一杯です。大学病院などは軽い症状の患者さんを診るところではなく、また一見患者さんのことを正確に診ることができるかどうかも疑問です。かかりつけ医と違って、その患者さんの日常を知らないからです。期待されている役割が違います。

大病院に行く前にかかりつけの先生に相談してみましょう。どこの病院が病状に合った専門性を持っているか適切か、も素人判断ではなく、かかりつけ医のデータベースの方が信頼できると思いますが、いかがでしょう。

2011年6月22日

代替療法をご存知ですか?

代替療法という言葉をお聞きになったことがあるでしょうか。現代医学の中心である近代西洋医学とは異なった医療のことを指します。もっとも知られたものとしては漢方があります。漢方は中国に発して日本で発展したものですが、今では保険診療の対象ともなってその効果が多くの場所で証明されています。

GUM13_CL10003問題となったものもあります。最近ではホメオパシーがメディアで騒がれました。その詳しい内容は説明を省きますが、科学的に必要な治療を受けなくさせるといった批判が飛び交いました。効果を主張する意見には「それはプラセボ効果に過ぎない」という反論が寄せられます。プラセボ効果とは偽の薬でも一定の効果がある、というものです。信じれば症状の改善もあるのが人間の体の不思議なところです。

ホメオパシーの是非を論じるものではありません。この他にもプロポリスを飲んでがんが治ったとか、いろいろな話が流布しています。これらの代替療法が漢方と異なるところは、詐欺的な商行為は論外としても、「効いた」という声があるかと思えば、エビデンスがないという疑問もあるというところです。

元々、いろいろな治療法でも効く人と効かない人があります。イレッサという薬は肺がんの薬ですが、この薬で劇的な回復を見せた患者さんもあれば、ご存知の方も多いと思いますが副作用で亡くなった方も多くいらっしゃいます。ましてや多くの代替療法では、いかにも万人に効くようなことが喧伝されたりしますが、効果があるにしても、多くの場合それは偶々、その方に合ったということでしかありません。

近代西洋医学的な考え方は、いわば毒である薬でもって病気を治そうというものであり、それに対して免疫力を高めて自然治癒力を生かそうなどという代替療法でよくみられる考え方には一定の理があります。しかし病気もそれから人間も千差万別であることを忘れてはならないでしょう。

近代西洋医学も絶対ではありません。その意味で代替療法の情報収集もやって良いでしょうし、自然治癒力の大切さも知っておきたいと思います。ただし代替療法の多くは、近代西洋医学以上に絶対ではないと心得るべきでしょう。

2011年4月22日

ネットを活用する

パソコンや携帯電話で医療情報を調べることが一般的になってきました。地名と病名(あるいは診療科)を打ち込んで検索する場合が多いようです。急速なネット普及に対応するべく、HPを開設する病院やクリニックも増えています。ここにきてネットのリテラシー(読み解き能力)が重要になってきました。

pc診療時間などの情報を見るためだけにネットを利用するのはもったいないと思います。HPでは院長先生のプロフィルが詳しく載っていることもあります。キャリア、専門分野などの情報です。コラムや、中にはブログを書いている先生もいます。診療の方針などを知る良い機会となります。

都道府県が作っている医療情報ネット(名称は様々です)には、各医療機関の情報が詳しく載っています。病院やクリニックのHPと合わせて利用してみてはどうでしょうか。

ネット上では様々な医療情報が溢れています。どれを信用して良いのか、注意しなければならないと思います。無責任な情報発信がネットでは可能です。HPや専門サイトならば、その開設者をチェックするのも一手でしょう。代表者や役員名簿、著名な組織や医療・研究機関などがリンクしているかどうか、などが手掛かりです。がん治療などでは根拠薄弱な説が飛び交っています。

口コミサイトもどこまで信じて良いものでしょうか。悪意ある書き込みもあったりします。複数のサイトで内容をチェックしてみることが最低限、必要でしょう。医療専門のサイトもあれば、ヤフーの「知恵袋」のような相談投稿サイトに出ていることもあります。

ネット上の情報は玉石混交です。複数のサイトに当り、先に述べた都道府県の情報ネットなどで確かめながら、情報を吟味したいものです。こういう注意を払えば、細かな専門情報や遠隔の情報とネットでの情報収集は可能性が拡がります。

2011年1月22日